転職をスムーズに、そして良い転職先に巡り会えるエージェントとの付き合い方を、大手人材紹介会社3社でエージェントをされた加藤さんに人材紹介会社の裏側とともに聞いてみました。
最初からあなたが受かる求人は決まっています。
職務経歴書で大方決まる
私たちエージェントは候補者(求職者)の学歴・転職回数・経歴のブランクをみて、まず地頭の良さや志向性の仮説を立てます。
例えば
『高校は偏差値70近いけど、大学は50台とだいぶ下がっているということは学歴コンプレックスがあるので、転職先は大手が良いと言いそうだ』
『高校・大学と良いところ出ているのに、就職先がイケてない企業。面接が苦手か、ビジネス思考にかけているか何かしら問題がありそう』
『高卒だけど、新卒で入った会社で5年も働いて、しっかりと実績も残し、マネジメントもしている。これはスタンス重視の大手企業でワンチャンあるかもしれない』
この仮説に基づき、ある程度提案求人を面談前から準備をしています。
また、大きな声では言えませんが、候補者ランクのようなものを敷いているような会社もありました。
SS | 偏差値65以上。転職回数2回未満経歴にブランク無し |
A+ | 偏差値65以上。転職回数2回以上経歴ブランク無し |
偏差値60-65。転職回数2回未満経歴ブランク無し | |
A- | 偏差値65以上。転職回数2回以上経歴ブランク有り |
偏差値60-65。転職回数2回未満経歴ブランク無し |
どの人材紹介会社も一定、学歴・地頭の良さ・転職回数・経歴のブランクは見ているかなと思います。申し分なければある程度求人を選ぶことが可能ですが、そうでなければ求人を希望通りに選ぶことは不可能です。
また、例えば、偏差値40の大学を卒業していたとしても、高卒だったとしても、現職での実績など社会人経験の中でしっかりと積み上げてきたものがある候補者であれば、SSランクになれませんが良い取引先さん(企業)に紹介したいなという意識が働くので、結果、偏差値がよくても悪くても良い企業には巡り会える可能性はあります。
本当に最初から決まっているのですか?
職務経歴書の次に見られるのは面談時、仕事に対するスタンスなどの人柄部分を見ます。エージェントが抱えている求人=取引先の商品なので、難ある人に商品を売ることは決してしません。
そういった点から考えると、もはやエージェントとの面談も選考の一つと考え、慎重に言葉を選び、自分をPRしていくことが大切だと思います。
先ほどあげたSS人材が、面談時にとっても自信過剰な印象があり、他責な発言が多いとなると、やはり予定していた求人よりも少し格が低い求人などを準備し直したりもします。また、逆に、C-位の人材だけれども、しっかりと実績を残し、かつ謙虚さがあったり、論理的思考性が垣間見れる会話や、人当たりが良かったりすると、チャレンジ企業に当たるかもしれない優良企業を紹介する可能性もあります。その場合、私たちエージェントがとっても丁寧に推薦状を書く必要があるのでちょっと手間がありますが。笑
エージェントは転職のプロです。出してきた求人を信じて欲しい
エージェント同士でよく話題に上がるのが
『いくら良い人でも希望は叶えられない』ということです。
先ほど例にあげた候補者ランクをつけるような企業があるように、意外とわかりやすく、人材の市場価値は図られており、その価値で受かるか受からないかすでに決まっています。
そのため、いくら希望を言われたところで、エージェントとしても叶えてあげたい気持ちは山々なのですが、ないものはないですし、無効な応募をさせる気にもならないのです。
よく『エージェントから全然興味のない求人を出された』や『紹介された求人に応募しても全然書類通過しない』という声を聞きます。前者は、市場価値がわかっているので、敢えてそのような求人を出しているケース、後者はもしかすると、候補者が希望を言い過ぎていて、エージェントがひとまず希望のところを受けてもらって落ちた段階で軌道修していこうと考えているケースかもしれません。
ただ、言えるのは、この2つを繰り返してしまうと、転職活動は長期化し、難航するばかりなのです。
転職活動をスムーズに行うためには、私たちエージェントをちょっとばかり信じていただけると良いのかもしれません。