転職検討者にとって、転職エージェントの存在は非常に多様になります。なんせ、費用がかからずに転職活動のサポートを最後まで行ってくれるのですから、普通に考えれば使わない手はありません。
僕も基本的には転職エージェントは使うべき・頼るべきサービスだと考えていますが…一方でそのデメリットや注意すべき点もあると考えています。
ですので、この記事ではそんな転職エージェントを利用する上で気をつけるべきポイントについてご紹介します。現在転職活動を進めている、もしくは検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
転職エージェントのデメリット・注意すべき点
転職エージェントは多数のメリットがある一方で、いくつのデメリット・注意すべきポイントがあります。大まかにそのポイントを並べると下記のようになります。
- 担当者によってサポートの質が変わる
- 担当者が「転職させたい」企業の求人を案内される
- 模擬面接や添削サポートなども頼ると時間がかかる
それぞれ、チェックしていきましょう。
担当者によってサポートの質が変わる
転職エージェントを利用する場合、基本的に一名の担当者が転職検討者ごとにつく形となります。ただ、この担当者が優秀かどうか、経験が長いかどうかは
また、総合型の転職エージェントだと、業界の中でも詳しいところ・詳しくないところが分かれている場合も多いので、担当者がどの領域に詳しいかはしっかりと見極めましょう。最初に転職エージェントに連絡する際に自分の希望する業界・職種を伝えておけば、そういったミスマッチも起きにくいので、もし転職を検討している業界等が決まっている場合は先んじて伝えておくようにしましょう。
担当者が「転職させたい」企業の求人を案内される
これも担当者ごとに変わるポイントですが、担当者も自社内で転職決定者を何人出せるか、というノルマが課されるケースが多くなっています。そのノルマが厳しいかどうかはエージェントごと、また担当者の所属する部・グループごとにも変わってきます。
もし、ノルマに苦しんでいる担当者であれば「何としても転職させないと」という発想を持って転職検討者に接しますので、案内してくれる求人も決まりやすいものになりがちです。
ただし、基本的にはノルマを達成するためにそのような短絡的な手段を使うのは悪手です。転職検討者の希望・意向をしっかりと汲み取った上でサポートしてくれる担当者が、結局転職決定数も多くなるので、頼るべきはそういった担当者であるという意識をしっかり持ち、ちょっと違うな… と思った場合は他のエージェントに切り替える意識を持っておきましょう。
模擬面接や添削サポートなども頼ると時間がかかる
転職エージェントのメリットの一つは、転職検討者への手厚いサポートです。職務経歴書の添削や、特定の企業への面接対策として模擬面接を行ってくれるなど…。ただし、一方でそれは早急に転職先を決めないといけない方にとっては、やや煩わしいポイントになりえます。
もし、上記のようなサポートを面倒に思う・迅速に転職活動を進めていきたいという方は、転職エージェントにその旨を最初に伝えておくとよいでしょう。基本的に担当者は「良かれと思って」諸々のサポートをしてくれるので、もしそれが不要なものとわかれば、無理にそれをおしつけてくれません。むしろ(言い方は少し悪いかもsしれませんが)、転職決定までの期間が短い「優良顧客」として、色々な求人を紹介してくれることでしょう。
転職エージェントを使うべき人はどんな人?
ここまで、転職エージェントのデメリット・注意点についてご紹介しましたが、どちらかというと担当者ごとの質の違いによるものであったり、自分自身の特殊な状況がない限りは避けうるものが多くなっています。
一方で、転職エージェントは下記のようなメリットを有していることも確かです。
- 転職市場の情報を提供してくれる
- 選考に関わる手続きを代行してくれる
- 選考対策を手厚く行ってくれる
- 年収交渉・退職に関するサポートなどを行ってくれる
上記のような様々なサポートを無料で受けることのできる点は、やはり転職エージェントの大きなメリットであると言えます。また、そういったサポートを受けるべきと言えるのは
- 転職に関する知識がない(初めて)の方
- 転職でキャリアアップするための客観的意見が欲しい方
- 現職での仕事が忙しく、手続き等に時間を割けない方
- 転職したい企業が明確に決まっている方
といった方々です。特に、最後の「転職したい企業が決まっている方」は、万全の準備を行った上で、転職活動に臨む方が、万が一ご縁がなかった時にも後悔がありません。模擬面接や選考書類の添削サポートなど、受けられる者は全て受けるようにしましょう。
転職エージェントを使うべきでない方
一方、転職エージェントを使うべきでない、使ってもあまり効果を期待できないのは「転職市場で評価されにくい方」です。例えば、短期間で転職を繰り返している方や、正社員として仕事についてこなかった方、全く別業界・別職種から転職を考えている方などです。
そういった転職検討者の方は、転職エージェントの担当者の中で優先度が上がりにくく、あまり良い求人を受けられないことがあります。場合によっては、直接「希望しているような企業に行くのは難しい」と言われることもあるでしょう。
とはいえ、そういった方をターゲットとしてサポートしてくれる転職エージェントもありますので、もし上記のような壁にぶつかった方は、例えば未経験からの正社員案件の多い『ハタラクティブ』などの特化型エージェントを使ってみると良いでしょう。
総合型の転職エージェント
転職エージェントを「失敗しないように」使うためには、転職エージェントごとの違いをしっかりと知っておく必要があります。ここではまず、総合型の転職エージェントについてまずご紹介します。いくつか知っておいて、もし担当者の問題で良いサポートを受けられない、と感じた場合は別の転職エージェントに乗り換えてみましょう。
リクルートエージェント
まずは、人材業界の第一人者とも言えるリクルートグループの運営する総合型転職エージェント『リクルートエージェント』です。リクルートエージェントの特徴は、求人総数の多さがまず挙げられます。ネームバリューが強いので、転職検討者にとって安心感があるのはもちろんのこと、人材を探している企業側もリクナビに求人を預けたい…という考えになります。
リクルートグループはもともと求人領域から始まった会社なので、リクルートエージェントやリクルートキャリアのような人材領域には特に力を入れています。転職エージェントの転職検討者へのサポートも充実しているので、「キャリアアップを目指して転職活動をしている」という意志があれば、その考えに寄り添って助けてくれることでしょう。
裏話ですが、リクルートが社員を採用する際、リクルートエージェントに関しては採用要件が違うそうです。まあ、他のリクナビやSUUMOのようなメディア事業とは全く取り組む仕事が違うので、当然といえば当然なのかもしれませんね。
doda
『doda』はパーソルキャリアという会社の運営する転職エージェントです。パーソルキャリアは以前は「インテリジェンス」という会社名だったので、そちらの名前を聞いたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
僕が最初に転職エージェントで実際に会話したのは、このdoda社でしたが、「丁寧にサポートしてくれる」という評判通り、現実的に今後キャリアアップを考えるならどういうキャリアを進めていくのがよさそうか、転職市場の状況も踏まえつつ真剣に考えてくださいました。
職務経歴書や面接対策などの実践的な選考に関するアドバイス・サポートも充実しているので、転職エージェント検討の際には真っ先に候補に上がってくると言ってよいでしょう。
パソナキャリア
人材派遣事業を手がけるパソナキャリアは、リクルートエージェント・dodaに比べると求人数は劣りますが、その分転職検討者、特に「キャリアアップを志向している」方へのサポートを徹底しています。
アピールポイントにも記載されいますが「年収UP率は67.1%」となっており、より良い条件での転職を実現するだけのマッチングサポートと、企業側への給与交渉への強さが見て取れます。
特化型転職エージェント
先ほどまでは総合型の転職エージェントをご紹介しましたが、ここからは業界、もしくは転職検討者の属性を絞ったエージェントについて順にご紹介します。
若手・20代向けマイナビエージェント
マイナビエージェントは本来は、総合型転職エージェントのカテゴリに入ります。求人は様々な業界を網羅していますし、積極的にターゲットを絞っているわけではありません。
ただし現実的な話をすると、マイナビエージェントは上述したリクルートエージェントやdodaに比べると求人数が少なく、総合型転職エージェントの中でのブランドは強くありません。その中で強みと言えるのが第二新卒・既卒の方への求人の充実であるため、ここでご紹介させていただきます。
新卒採用メディアとしての「マイナビ」での企業との結びつきが、上記のような求人への強みをもたらしているようです。
フリーター・正社員未経験の方向け:ハタラクティブ
ハタラクティブは20代を中心とした正社員未経験の方やフリーター、第二新卒の方など向けの求人を主に取り扱う転職エージェントです(ですので、転職というより就活と言った方がいいかもしれませんね)。
普通であればなかなか転職・就職に苦しむ層の方々ですが、ハタラクティブは完全にそういった方達にターゲットを絞ってサポートのノウハウをためているので、悩んでいる方はぜひ頼っているといいでしょう。
YoutubeなどでCMもよく見るかも?
YoutubeなどでCMもよく流れているので、印象に残っている方も多いのではないでしょうか?
ハイキャリア向け:JACリクルートメント
JACリクルートメントは総合型の転職エージェントとは明確にターゲット層が異なっており、ハイキャリア、すなわちプレイヤーとして活躍してきた方・マネージャークラスの人材の転職サポートを標榜しています。ですので、20代の若手の方よりも30代〜の経験・実績が豊富な方向けの転職エージェントと言えるでしょう。また、外資系企業との取引実績が多いことも、大きな特徴です。
案件は「量より質」、既に活躍しているビジネスマンがさらなるキャリアアップを考える際にはうってつけの転職エージェントと言えます。ですので、ある程度自身のこれまでのビジネスキャリアに自信のある方でないと、求人を十分に紹介してもらえない、という可能性もあります。
(ミドル〜 )ハイクラス向け:BIZREACH
特化型の転職エージェントを上記で紹介してきましたが、よくCMで目にする「BIZREACH(ビズリーチ)」は転職エージェント・企業の人事担当者とのマッチングサービスとして、今転職市場でかなり注目を集めており、ユーザー数の増加が著しくなっています。また「求めているのは即戦力」というキャッチコピーでもわかるように、一定のスキル・経験を持った人材の転職サポートをしているという点で、『JACリクルートメント』のようなハイキャリア向けの転職サービス…という属性を内包しています (JACリクルートメント程極端なターゲティングではないですが)。
ビズリーチはイメージで言うと「リクナビNEXT」のスカウトメール機能に近く、登録するとヘッドハンターや企業から連絡が届き、求人を紹介してもらう…という流れになります。
現在利用社数も増えているので、今20代~30代の若手ビジネスマンがキャリアアップを考えるなら、選択肢の一つに入れるべきサービスでしょう。「ハイクラス転職サイト」とあるので、自信のキャリアに一定の自信がある方は、ぜひ実際に利用してみるとよいでしょう。
まとめ
転職エージェントを利用するにあたって注意すべきポイントと、オススメの転職エージェントをご紹介しました。何度も書いたことではありますが、担当者によって転職エージェントを利用する意味・満足度は大きく変わってきますので、まず自分に合った転職エージェントを利用すること・そして良い担当者に出会えるよう複数のエージェントを並行して利用してみるのは、ぜひ気をつけてみてください。
良い担当者にめぐり逢えたら、そこからは二人三脚です。ぜひ良い転職活動を進めてくださいね!
転職経験者である会社の友人も、エージェントは「本当に担当者次第」と言っていました。