皆さんこんにちは。ナカガワです。
私自身の転職経験は少ないのですが、一方で採用面接官の経験は多いのです。
私が経験した、従業員300名規模のベトナム工場での採用体験談をお話ししますね。日本でも製造業の管理職やオフィススタッフに応募される方には、参考になりますよ!
従 業 員 採用背景 採用職種
レシート印刷用のプリンタの組立、カーオーディオの組立、車載スマホ充電器の組立など
日本人5名、ベトナム人300名(主に20代・30代の女性)
新工場のため、他社で経験を積んだ即戦力スタッフを採用し各部署へ配属
工場なので作業員から管理職まで広いのですが、私はその中で各部署の課長級とオフィススタッフの採用をしました。
私が面接した人数は延べ50名以上、採用決定した人数は約30名になります。
また、ベトナムには、日本を飛び出し、現地採用で働いている日本人女性(主に20代・30代)も沢山いらっしゃいます。彼女たちとお話しする機会にも恵まれたのですが、皆さんとてもキラキラと輝いていたことが強い印象として残っています。
これらの私の経験から、皆さんに、
1.私がベトナム人スタッフ採用の際に重視していたこと
・経験の広さ・深さよりも意欲
・チームプレイができること
2.現地採用の日本人女性とお話をして気づいたこと
・海外で仕事、意欲は充分に持っている
・自分の立ち位置を理解
・チームプレイができる
・キャリアビジョンがある
をお伝えしたいと思います。
みなさんの転職活動の参考にしてください。
目次
1.私がベトナム人スタッフ採用の際に重視していたこと
ベトナム人スタッフの採用は100%経験者採用でした。なぜなら、私の勤務する工場はこれから稼働を開始する工場であり、即戦力を採用する必要があったからです。
経験の広さ・深さよりも意欲
当然なのでしょうが、応募者の皆さんは、今までのご自身の経験を積極的にアピールされます。
履歴書には、
「経理で10年の経験があり、ベトナム会計士の資格も取った」
「人事総務に15年の経験があり、ワーカーの採用は数えきれないぐらいやってきた」
「前職も営業職。日系10社+日系以外は30社の顧客と、接してきた経験がある」
これらの文面を見ると皆すばらしい経験を持っていると思ってしまいます。面接でも同様のアピールをします。でも、どのぐらい力があるのかが見えてこないんです。
また、経験者採用面接ですから、経験があることは当たり前で、肝心な経験の広さと深さは履歴書をよく読んで、プラス面接をしてみて、やっとある程度まで判るというもので、それ以上のスキルは採用して実際に仕事をしてもらわないとわかりません。
そもそも、
会社が転職者に求めることと、転職者がその会社に提供できることには、多少なりとも必ずギャップはあると思ってください。
そのギャップを早々に理解してそれを埋めてもらわなければならないのですが、それを埋めようとする意識と意欲がなければ、ギャップはなかなか埋まりません。
そこで、ベトナムでの採用者面接では、自ら成長していこうとする意欲、新しいことにチャレンジする意欲を聞き出すことを心掛けていました。
これは日本でも同じですね。
そして、異業種転職を目指している方にとっては、なおさらではないでしょうか。
異業種転職ということは、転職先の業種は未経験ですので、ギャップはとても大きいはずですね。
面接官だった私が、採用面接時に最も必要だと思ったことは、そのギャップを埋めようとする意欲とそのアピールです。
チームプレイができること
私が面接して採用したのは、組織の長の候補が多かったです。それぞれの組織で、部下として、小さい部署(例:営業部)で3名、大きい部署(例:製造部)で100名の部下を抱える長となります。
ベトナム人は総じて自分の実務スキルをアピールすることは得意ですが、マネジメント力をアピールすることにはあまり慣れていませんでした。
「前職では、10名の部下を持っていました。」程度のアピールです。
10名の組織の長です。一人で10人分の仕事ができるはずもありません。10名それぞれが役割をもって、それぞれのミッションを遂行して、ようやく組織として良好な仕事ができます。
マネジメント力の低いマネージャーは、自部署がうまく回らないとすぐに「この仕事をするには人数が足りません。人を増やしてください」と言ってきます。マネジメント力の高いマネージャーは、部下のスキルマップを掌握していますので、適材適所による業務の効率化ができますし、部下の教育ポイントが判るのでタイミングよく適切なアドバイスを行うことができます。その結果、部下からの信頼も厚くなり、職場イメージがよくなります。
チームプレイができること。
マネージャーだけではありません。チームメンバーにとっても必要なことです。
ベトナムに特化した話ではありません。全世界共通で必要なことです。同僚とのコミュニケーションをとって相互理解とチームの目標に向かってそれぞれが何をすべきかを考える。仕事はチームでやるもの。
私の前々職の職場では、「ワイガヤ」(メンバー全員でワイワイガヤガヤで進めること)の推奨がありました。
チームメンバーと呼ばれる人がいなくて孤軍奮闘される方もいらっしゃるでしょう。そんな方でも、他部署の方と良い人間関係を構築しておくと何かと良いはずですね。
2.現地採用の日本人女性とお話をして気づいたこと
現地採用の日本人女性とお話しする機会に恵まれたのですが、お会いした方々はみなさんとてもキラキラ輝いていました。とてもやりがいを感じていらっしゃるのがわかりました。
意欲は充分に持っている
海外でお仕事、それに自らそこに飛び込んで来たわけですから、当然ながら意欲は充分に持っていらっしゃいました。20代の若い方でも、経験が不足している部分はあったのでしょうが、それを埋めようとする意識=意欲が強く感じ取れました。
自分の立ち位置を理解し、チームプレイができる
そして、自分の立ち位置を理解していらっしゃいます。日系企業にお勤めの方は、20代・30代でも現地では「マネージャー」以上です。自らプレイヤーとして業務をしながらも、決して独りよがりにならずに、ベトナム人同僚を活用したチームプレイをしていました。
日系以外だと、日本人顧客からの受注を行うことがミッションになります。ここでも自社のベトナム人同僚をうまく活用するということを積極的にやってらっしゃいました。
これは、ベトナムに限らず日本でも同じですね。
個人事業主でない限り、どんな仕事でも一人で全ての業務を行うことができません。同じチームのメンバー、他部署のメンバーの協力があってこそです。
チームプレイができること。
私の36年の社会人人生を振り返ってみても、これがうまくできたときは、私の中では成功を収めていた時期と一致します。
キャリアビジョンがある。
「ここベトナムに何年いようと思っていますか?」の質問を、よく投げかけたものですが、皆さん、割と明確に答えてくださいました。
「あと3年ぐらいですかね。海外業務を5年経験したら日本本社で管理職を目指します。」
「何年になるかわかりませんが、自分で納得できる営業レベルになったら、次はマーケティングに移ろうと思っています。」
「ベトナム人の彼と結婚してこちらに住む計画です。結婚3年後にこちらで自分の事業を起こそうと思います。今はそのための経験ですね。」
キャリアビジョンは、必ず持たなければならないということではありませんが、
キャリアビジョンを持っていたほうが、何年か後の自分を想像することができ、それに向かって今何をすべきか?が判ると思います。
皆さんにも、転職に際しては、自己分析や適性診断など、ご自分の棚卸しをしてみることをお薦めします。
私も2度目の転職(起業かもしれません)に向けてその作業中です。
最後に、
3.海外の現地採用でも収入は悪くない
考え方次第といった部分があることは否めませんが、見方によっては海外のほうが給与条件は良くなります。
ベトナム、ハノイの現地採用の20代・30代の給与相場は $1,500 ~ $3,000/月といったところです。日本円に換算して(現時点は異常なドル高円安ですので、あえて2022年1月 ~ 6月の平均値$1=¥120を使います)18万円 ~ 36万円といったところです。
東京の最低賃金1,072円/時を、月21日稼働の月給に換算したら、約18万円となりますので、東京の最低賃金レベルと同じかそれ以上ということになります。この数字だけみると、日本で勤務するよりは収入は少ないと感じるでしょう。
しかしベトナムでの生活では、生活費が安い分、手元に残る(貯蓄に回せる)額が増えます。それを考慮すれば、海外の現地採用の給与もそれほど悪くないということになります。海外でのお仕事は、収入の額よりも現地生活費を差し引いた貯蓄可能額で見たほうが適切です。
日本で採用されて海外現地に赴任される場合には、多くの企業が日本の給与+海外現地給与のダブル支給を行っていますので、さらに好条件となります。
海外勤務に大きな抵抗がない方は、あえて、転職先の勤務地の候補として、海外それも日本に近くて経済成長著しいASEANを視野にいれることもアリです。
4.まとめ
いかがでしたか?
ぜひ転職の際の面接では、何よりもその仕事に対する強い意欲、そしてチームプレイができること、これをアピールしてみてください。
ご健闘をお祈りしております。
本ページのライターさん情報です。
ナカガワさん
ベトナムハノイ在住歴6年。東京とハノイを行き来し、日本からのハノイ進出支援をフリーランスで行う会社を起業する計画中です。 その前にマーケティングの勉強をと思い、学校通いの毎日です。