憧れの企業に入社・転職、しかし実際に入ってみると思っていたのと違う…という風に、入社後のギャップに苦しむ方は意外に多いもの。徐々に順応できそうなギャップであれば時とともに解決しますが、そうでない場合は「入ってすぐだけど、転職しようかな…」と考えたくなるところ。
ただし、入社後すぐに転職をしてよいものか?何かしらで不利益が生じないか?というのは気になりますよね。
この記事ではそんな悩みにお答します。上記のような悩みを持っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
入社後すぐの転職はOK?NG?
「入社後すぐの転職」をどう定義するのかは難しいですが、一般的に新卒だと「3年以内」での退職は早いと思われることが多く、転職だと「1年以内」程度で退職だと早いと思われるでしょう。
入社後すぐの転職のメリット
入社後すぐの転職は、早い段階でキャリアの修正を図ることができるという点では大きなメリットです。
「新卒は入社してから3年は同じ会社にいるべきだ」という定説はありますが、キャリア観の変化やベンチャー企業の対等により徐々にその定説にも疑問が持たれつつあります。
特に、20代のまだ若い社会人であれば、早いうちに様々な試行錯誤をしたいところ。その意味では、素早い意思決定をすることは決して問題ではなく、中長期的には大きなメリットをもたらす可能性があります。
入社後すぐの転職のデメリット
一方で、デメリットもあります。わかりやすいところだと「職歴上のリスク」が挙げられます。
入社後すぐに転職活動を進める場合、「なぜこんなにすぐこの会社を辞めたいと考えるのか?」と採用担当者側は気になりますし、面接でも質問されるでしょう。
たとえ勤めていた企業がかなりのブラック企業だったとしても、基本的には面接でそれをそのまま言うのは心象が悪いので避けたいところ。ただ、ポジティブな話をしようにも「なぜ今の会社でそれをやろうとしないのか?まだ入ったばかりなのに」と思われる可能性はあります。
ベンチャー企業だと軽く上述したように、柔軟に話を聞いてくれるところが多いですが、大手企業だとそういった「すぐ辞めるリスクのある」人材は採用しにくいところ。ですので、入社後すぐに会社を辞めたいと考えても「転職活動でやや苦労する」リスクがあることは覚えておきましょう。
今の仕事を続ける意味・リスクを冷静に考える
入社後すぐの転職に関しては、上記の通りメリット・デメリットともに存在します。
ただ重要なのは、今自分が勤めている会社を辞めたい理由はなんなのか、を冷静に考えることです。
例えば今感じてる課題が部署の異動などによって解決するものであったり、1年ほど我慢すれば解決するものなのであれば、我慢してみるのも一つの手です。基本的には転職して新たにキャリアを気づくのは相応の時間とリスクがあるので、もしも今の企業に勤め続けることで満足いくキャリアを築く手立てがあるならば、その道を検討するのが良いでしょう。
一方で、今の会社に勤め続けるのでは自身の目指すキャリアを満たせないと確信した、もしくはそれができたとしてもとても時間がかかる…という場合でしたら、入社後すぐの転職になったとしても、恐れずに決断しましょう。
入社後すぐの転職を成功させるためには
入社後すぐの転職を行う場合、今の職場では自分の目指すキャリアを描けない、つまり「失敗した」就職・転職だったと言うことができます。しかし、入社後すぐの転職を行う場合、今度は失敗を許せません。立て続けに入社間もない時期の転職を繰り返していては、職歴上の致命傷にもなりかねません。
よって、転職活動に対しては万全の準備をして進めることが必要です。
企業に求めること・自分の目指すキャリアを整理する
自分がどういうキャリアを目指していくのか、そしてそのために企業に対しどういったことを求めるのか…については、周りの友人でもかまいませんのでしっかりと考え、相談してみましょう。
これができていないと、転職後また自分のイメージとのギャップ等を理由にしてモチベーションが低下してしまう可能性があります。
転職エージェントの存在を頼る
相談相手として上では友人を挙げましたが、それ以上に頼りたいのは転職エージェントです。転職エージェントは費用なしで転職に関連する情報の提供・選考対策・諸々の手続きの
また何よりも重要なのは、転職エージェントは様々な転職検討者をサポートしてきた経験と、客観的な立場で転職検討者の状況について見定めることができます。キャリアイメージがまだしっかりと固まっていない…という方は、彼らの目線で自分がどう見えるのか?という観点で色々と相談してみると良いでしょう。
次も「入社後すぐに辞める」ことはNG
ただし、一点注意点です。転職エージェントは企業に転職検討者を紹介し、実際に入社につなげることで紹介料をもらっています。なので、もし紹介料をもらっておきながら、紹介した人材がすぐに辞めてしまった、という事態になると、紹介料の返金につながります。
転職エージェントの担当者としても、後々返金につながるような方を紹介するのはリスクが高いので積極的に求人を紹介したくはありません。ですので、転職検討者の方は「次の会社ではしっかりと勤めます」という意思を確実に伝えておきましょう。
オススメの転職エージェント
とはいえ、転職エージェントも複数あるので、どのエージェントに相談すればいいのか?と悩む方も多いでしょう。転職エージェントにも総合型や特化型、また若手の求人に強いエージェント、ハイキャリアの求人に強いエージェントなど様々な特色があります。はじめは幾つかの転職エージェントに登録・担当者に話を聞いて見た上で絞り込んでいくのがよいでしょう。
ここでは、いくつかのオススメの転職エージェントについてご紹介させていただきます。総合型の中でも実績豊富な転職エージェントと、若手社会人の方向けのエージェントになります(入社後すぐの転職はどちらかというと若手の方に多いと思いますので)。
リクルートエージェント
リクルートエージェントの最大の特徴は、求人総数の多さがまず挙げられます。リクルートグループは様々な領域でサービスを展開していますが、もともとは人材業界で始まった企業ですので、もちろんリクルートエージェントにも大きく力が入れられています。
上述のように、転職サイト上では公開されていない求人の保有数も非常に多いため、具体的に志望企業が決まってきて、求人を比較検討したくなってきた時に利用してみましょう。まだ検討段階が浅く、簡単な情報収集で良い…という場合ですと、同じくリクルートグループの転職サイト『リクナビNEXT』を利用してみるのがオススメです。
doda
『doda』はパーソルキャリアという会社が運営する転職エージェントです。以前は「インテリジェンス」という社名でしたので、そちらで耳にしたことがある方もいるかもしれません。
僕が最初に転職エージェントで実際に会話したのは、このdoda社でしたが、その際は今まで経験したことのない「コンサル業界」という未経験の業種への転職相談でした。担当の方は現実的に「今の会社で経験しておくべきこと」と「今のうちに用意しておくべきこと」のそれぞれをアドバイスくださり、非常に参考になりました。
特に、入社後すぐの転職という場合ですと、面接時にその点を突っ込まれたらどうするかなど、選考対策をしっかりと行うことが必要となります。その意味ではdodaのような選考対策に力を入れている転職エージェントは非常に頼りになります。
パソナキャリア
人材派遣事業を手がけるパソナキャリアは、リクルートエージェント・dodaに比べると求人数は劣りますが、サポートの質ではひけを取らず、また年収UPにつながる転職支援実績も大きな特徴です。2018年9月調べで、年収UP率は67.1%です。
総合型エージェントとしてはリクルートエージェント、DODAに比べるとやや求人数が劣りますが、上述の年収UPの実績などを考えても、紹介頂ける求人の質が高いことが伺えます。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、ここまで紹介してきた転職エージェントに比べるとはっきり言って求人数では見劣りします。
ただし一点特徴があり、新卒採用メディアとしての「マイナビ」での企業との結びつきを生かし、第二新卒・既卒への求人紹介で強みを発揮することができます。ですので、「社会人経験は少ないが、未経験の仕事に挑戦したい」と考えている若手の社会人の方にはオススメと言えます。
※(参考までに)マイナビ転職との違い
よくある悩み:新卒入社すぐの転職って問題ない?
最後に、よくある・よく聞く悩みについてお答えします。その悩みとは「新卒入社後すぐの入社って大丈夫?」というもの。
新卒で入社した会社を1・2年以内などの短期でやめることはリスクなのでは?と悩む方は多いでしょう。ただし、ここまで上述してきた内容の通り、その行動自体は決して悪いものではなく、自身のキャリアを考えた上での選択であれば問題ありません。
ただし、新卒から1・2年程度での転職の場合ですと、基本的に『第二新卒』向けの求人へ応募する形になりますので、その点は留意しておきましょう。
最近では新卒採用の競争が激化していることも影響し、第二新卒の採用も各企業積極的に行っています。その意味ではチャンスといえますね(上記は2016年2月のデータですが、62.2%の企業が第二新卒の採用に積極的とあります)・
利用するエージェントは上述のマイナビエージェントが第二新卒に強いので、メインで使うエージェントとして検討してみると良いでしょう。
まとめ
入社後すぐの転職は、不安も多く勇気がいるものだと思います。ただし、一概に恐れるのではなく、しっかりと今後のキャリアを考えた上での一つの選択肢として検討してみましょう。そんな時に周りの友人や転職エージェントは、きっとあなたの力になってくれます。