このページに来られた方は、おそらく「米国公認会計士=USCPA」の資格取得を検討している中で、ここに辿り着かれたのではないかと思います。
公認会計士と言えば、国内においてもいわゆる弁護士や税理士などと同じく「士業」に分類される上位資格。会計や財務の知識を専門的に扱うスペシャリストのこと。
近年、国内企業の海外進出や外資系企業の台頭など、グローバル化の進行が加速度的に増している中で、国際的に使えるスキルの需要が高まっています。USCPAもそのうちの一つ。しかし、どう学習を進めればいいのか悩ましいところ。本記事はそういった部分について詳しく、お伝えしていければと思います。
目次
独学か?スクールか?
結論から言いますと、「スクール」に通うことをおすすめします。
理由として、USCPAは受験資格というものがアメリカの州毎に存在しております。そもそもUSCPAは各州に受験に必要な単位数や合格後のライセンス登録要件があります。「どこで出願するのか?」「どの州でライセンス登録を行うのか?」など、学習を始める前に決める必要があるということです。
ですので、まずは受験に必要な単位を取得するところからスタートすることになります。(ここに関しては、経済学部や商学部出身の方は単位を取得済みの場合がありますので、成績証明書を見せることで単位獲得部分が免除になる可能性があります)
国内スクールは4強
国内でUSCPAの講座を受講できるのは、「アビタス」「プロアクティブ」「TAC」「大原」の4つ。
- 専門的なスクール:「アビタス」「プロアクティブ」
- 総合資格スクール:「TAC」「大原」
USCPAなどを専門的に行なっているのが「アビタス」と「プロアクティブ」。その他の資格も含め総合的に取り扱っているのが「TAC」と「大原」といった具合です。
スクール選びのポイント
スクール選びのポイントはいくつかありますが、私が検討する中で見ていたポイントと「結局どのスクールもそんなに変わらないので気にしなくても問題無いポイント」について、お話したいと思います。
- 教材
- 講義数
- 講義のわかりやすさ
- サポート
- 受講料
- 学習方法
- 各校の合格率
なぜ受講料など気にしなくてもいいのか?
見るべきポイントの前に、なぜ受講料や学習方法を気にしなくてもいいのか?ということを、お伝えしておきます。
【受講料】
受講料の比較に関しては、なかなか難しい話になります。というのも、
- 大学での会計単位とビジネス単位の取得数
- 出願したい州
によって、かかるコストに差が出てくるからです。(大まかにですが数十万程度の差が出る可能性もあります)
本記事では、「取得済み単位数無し」「ライセンスまでの取得を目指す」ことを比較要件として、以下記載したいと思います。
まずは、基本的な受講料の比較。
アビタス | プロアクティブ | TAC | 大原 | |
受講料(入学金込) | 749,300円 | 360,000円 | 535,000円 | 480,000円 |
取得できる単位数 | 会計:29単位 ビジネス:24単位 |
単位無し | 会計:33単位 ビジネス:15単位 |
会計:18単位 ビジネス:6単位 |
備考 | 追加無し | 追加単位:3単位 250$(約3万円) |
追加単位:3単位 20,600円 |
追加単位:3単位 16,000円 |
上記の表を見てもらう限り、受講料に関しては、「プロアクティブ」や「大原」が割安に感じると思います。勿論この金額で済む方もおられますが、あくまで最も安くで考えるとくらいに思ってください。
理由としては、先に述べた取得済み単位数に関わる「出身学部」や「ライセンス登録まで必要か?」という部分に寄ってきます。結論から言いますと、経済学部や商学部出身の方は安くで受講できます。必要な単位を大学の講義で取得しているからです。また、ライセンス登録が必要でなく合格証だけ欲しい方も安くなります。これは、「州によって必要となる単位数が増減する」からです。
次に、「ライセンスまでの取得を目指す」ところまでを考えた場合の受講料の比較です。
※ライセンス登録の場合、申請のしやすい「ワシントン州」「グアム」が多いのですが、どちらも会計24単位・ビジネス24単位の計48単位が必要になります。
アビタス | プロアクティブ | TAC | 大原 | |
受講料(入学金込) | 749,300円 | 360,000円 | 535,000円 | 480,000円 |
取得できる単位数 | 会計:29単位 ビジネス:24単位 |
単位無し | 会計:33単位 ビジネス:15単位 |
会計:18単位 ビジネス:6単位 |
追加単位 (ライセンス申請の為) |
– | 会計:24単位 ビジネス:24単位 |
ビジネス:9単位 | 会計:6単位 ビジネス:18単位 |
追加料金 | – | 250$(約3万円)/3単位 | 20,600円/3単位 | 16,000円/3単位 |
追加料金(計) | – | 480,000円 | 61,800円 | 128,000円 |
受講料+追加料金 | 749,300円 | 840,000円 | 596,800円 | 608,000円 |
基本的な受講料だけで見ると「プロアクティブ」や「大原」が割安感がありましたが、「ライセンス登録」までを考えると、「TAC」が一番低いということになります。
ですので、基本的な受講料だけではなく、最終的にかかる費用の総額を見て決めることをおすすめします。(以下は、州を変えた場合の一例です)
例:ワシントン州だと会計24単位、ビジネス24単位が必要だが、ニューヨーク州は会計12単位で受験可能。(※ニューヨークは住んでいない限りライセンス登録は不可。結局、ニューヨークで合格するもワシントン州でのライセンス登録になれば、残りの会計12単位+ビジネス24単位を取る必要がある。とか)
各校によって追加料金は異なるが、2〜3万円/3単位のところが多いので、ライセンス登録までの場合だと総額に変化があることに注意が必要。
- 受講料:試験合格とライセンス登録を目指す場合、大凡70万円前後必要
- 受験料:1科目受験するのに大凡6〜7万円×4科目=24〜28万円必要(当時のレート次第)
- 総額 :100万円程度
結論としては、総額100万円程度が必要になります。出身学部やライセンス登録の有無によって変わりますが、そこは個々人で下がる可能性があるといった程度ですので、該当する方はラッキーだと思ってもらえれば問題無いかと思います。
【学習方法】
アビタス | プロアクティブ | TAC | 大原 | |
学習方法 | 通学+eラーニング | 通学+eラーニング | 通学+eラーニング | eラーニング |
eラーニング割合 | 80%以上 | 80%以上 | 80%以上 | 100% |
基本的にはどのスクールもeラーニングでの学習になりますので、通学かオンラインかを悩む必要はあまりありません。通学で受ける講義もオンラインも同じ内容ですので、わざわざ足を運んでする必要はなく、もし集中したいということであれば自習室での学習が可能です。
質問に関しても、各校オンラインでのやり取りが可能ですので、サポートに関しても問題無くできます。
【合格率】
アビタス | プロアクティブ | TAC | 大原 | |
合格者数 | 3400名以上 | 非公開 | 非公開 | 非公開 |
合格率 | 35%程度 | 35%程度 | 40%程度 | 30%程度 |
合格者に関してはアビタスのみ3400名以上輩出とホームページ上に記載があります。(累計合格者数になります)
その他のスクールは記載等は特にありませんので、自信があるのがアビタスだけなのかなと勝手に解釈しています。
合格率については、個人的にヒアリングした結果ですが、総じて同じような水準かなと思いますので、あまり気にする必要は無いかと思います。(というより、USCPAの試験がテストセンターでいつでも受験可能な試験ですので、第◯◯回合格者のようなデータが取れないので、数字が無いといった感じに見受けられます)
見るべきポイント比較
では、見るべきポイントについて比較していきましょう。(5段階評価で、星1つにつき1点で計算)
アビタス
- 教材 :★★★★★
- 講義数 :★★★★☆
- 講義の質 :★★★★☆
- サポート :★★★★★
- 総点 :18点
オリジナル教材を使用しており、日本語でのインプット+英語でのアウトプットをすることで効果的に学習できるようになっています。講義数も59回と少なめに設定されており、継続がしやすい。講義の質も内容がわかりやすく初学者向けのスクールになります。
サポートに関しても、20年以上のノウハウのもと対応してもらえるので、相談がしやすい環境です。スタッフさんの対応も良いと感じます(後述しますが、私が実際に通ったのはアビタスです)。
プロアクティブ
- 教材 :★★★☆☆
- 講義数 :★★★★☆
- 講義の質 :★★★☆☆
- サポート :★★★★★
- 総点 :15点
教材は英語がメインで、穴埋め方式になっています。講義もしくはeラーニングを行いつつ、埋めていくかたちになります。講義数自体は少なめですが、問題演習のビデオ教材が膨大にありますので、そこを見るのがなかなか骨が折れる作業…(約300時間)。また、講義の質に関しては、基本的には代表の佐々木先生の授業のみであり、かなり個性的なキャラクターなのでハマる方とそうでない方が分かれるかと思います。(ちなみに私は苦手です…。笑 ホームページやYouTubeでも視聴できますので気になる方はチェックしてみてください)
サポートは専門的に行なっているスクールだけに丁寧な印象です。ライセンス要件の提出書類などの細かなサポートもしてもらえるので、そこは有難いかなと感じます。
TAC
- 教材 :★★★★★
- 講義数 :★★★☆☆
- 講義の質 :★★★★☆
- サポート :★★★★☆
- 総点 :16点
海外の有名な教材「Becker」を使用。教材自体はわかりやすく、講義もその教材に沿って日本語と英語の内容で進んでいきます。講義数が全79回と少し多めなことと、良くも悪くも淡々と進む講義なのでついていけるかが鍵になります。(こちらも参考としてYouTube視聴が可能)
サポートに関しては、大手資格スクールだけあって色々なノウハウがあるので、対応は問題無いかと思います。ただし、国内の資格に比べるとやや劣る可能性もありますので、少し注意が必要。
大原
- 教材 :★★★★☆
- 講義数 :★★★☆☆
- 講義の質 :★★★☆☆
- サポート :★★★☆☆
- 総点 :13点
海外で多くの合格者を出している「Roger」の教材を使用。eラーニングでもアメリカで人気のRoger講師の講義が見れるので、そこはメリットになります。ただし、勿論英語での講義になりますので自信のある方に限られるかもしれません。また、基本的に放置プレーな印象もあり、サポート体制など総合的に見るとあまり印象は良くないといった感じです。(教材もまだ最近取り入れたばかりで、使用感など卒業生の意見がまだまだ反映されておらず、不明な点も多い)
国内資格は強いですが、USCPAはそこまで力を入れていないのかなといった印象を受けるスクールです。
総合的におすすめ「アビタス」
教材のわかりやすさ、講義数、講義の質、サポートなど、総合的に見てアビタスが個人的にはおすすめです。
20年以上のノウハウの詰まったサポートやオリジナルの教材は、他校には無い良さを持っています。特に日本人が苦手な英語に関して、まずはインプットしやすいように日本語で早期に覚えて、試験問題にならしていくスタイルは他3校と一線を画していますし、初学者にわかりやすい仕組みになっています。
英語が得意な方や会計に素養がある方以外は、アビタスを選べば問題無いでしょう。
英語が得意なら「TAC」「大原」
海外で多くの合格者を輩出している教材を使用しているので、英語に拒否反応が無い方は「TAC」「大原」の選択肢もアリ。
TACに関しては、教材も細かく解説されています。大原は有名講師の講義を見ることが可能。本場のイントネーションなどを聞くことができるのはメリットになります。
独特な講義がハマる方「プロアクティブ」
正直「プロアクティブ」の講義は合う合わないがかなりあると思います。本場アメリカで大学を卒業され、公認会計士として働かれていた佐々木先生の講義を受けます。
この講義がなかなか個性的で、分かりやすいと感じる方にとってはかなりメリットになるかと思います。
まとめ
無料体験などを含め、4つのスクールを見てきましたが、個人的には「アビタス」で間違いは無いのかなと感じます。
費用面など細かい部分はあるにしても、基本的にはそれなりにお金がかかる資格ですし、それを取ることで得られるメリットも大きい資格です。せっかく取るなら、しっかりとしたサポートのある老舗のスクールが個人的にはおすすめです。
あくまで参考ですので、実際に無料体験や個別相談をした上で決められることが大事ですが、この記事を参考として見ていただければ幸いです。
【参考】私は「アビタス」での受講を決めました
参考までに、私個人としては「アビタス」での受講を決めました。理由としまして、
こういった部分を考慮して、総合的に決めました。先にも述べました「見るべきポイント」に則って考えた結果、一番不安感が少なくかつモチベーションを維持して学習が続けられると思ったというのが理由です。
単位取得なども合わせると、それなりの学習時間を要するUSCPA資格。その中でモチベーションの維持をしていくのも、かなり大変になってきます。ですので、講義数や講義の質、サポート体制の充実度は度外視できない大事なポイントになります。「アビタス」はそんな不安感を最も払拭できたスクールだったのではないかと個人的には思います。ご参考までに。
上記プレゼントキャンペーンは終了している可能性もありますので、ご注意ください。(2021年5月時点)
参考にさせていただき早速、アビタスのオンライン説明会と資料請求しました。0からのスタートなので勉強についていけるのか心配ですが….行動あるのみ!
菅原 様
はじめまして。ブログを御覧頂き、またコメントを頂きましてありがとうございます。
本記事が少しでもお役に立てたのなら嬉しく思います!
私も同じく0からのスタートだったので、お気持ちはとてもよくわかります…
ただ、その中でも行動に移された勇気は素晴らしいと感じますし、学べば着実に身に付く知識/スキルでもありますので、是非学びを進めてみてください!
陰ながら応援させていただきます。
今後とも引き続き宜しくお願い致します。